帯同ビザ

4. 家族が取得すべきビザとその申請方法
赴任者本人だけではなく、家族と共に赴任される方も多いと思います。本項では、赴任者の家族が取得すべきビザの種類とその取得方法について解説します。

4-1. 家族に必要なのはS1ビザ
駐在員の配偶者、父母、18歳未満の子、配偶者の父母が取得すべきビザは「S1ビザ」です。滞在可能期間は365日間ですが、期限より前に招聘者である駐在員の就労期間が終了した際には、帰国しなければなりません。

赴任者の家族の呼び方
赴任者に伴って移住する家族をビザ発給手続き上、「帯同者」と呼びます。
4-2. S1ビザ取得に必要な書類
S1ビザ取得のために必要な書類は下記の通りです。

パスポートの原本及び写し(余白が2 ページ以上あり、6ヵ月以上の残存有効期間があるもの)
6ヵ月以内に撮影した証明写真 1枚
中国査証申請用紙
中国国内に居留する親族からの招聘状
招聘者の外国人工作許可通知のコピー
招聘者のパスポートと居留証のコピー
戸籍謄本(3ヵ月以内に発行されたもの)
証明写真にはZビザと同様、細かい規則がありますので、写真スタジオでの撮影をおすすめします。また、戸籍謄本には公印確認と領事認証が必要となります。

招聘状には決まったフォーマットはありません。中国ビザ申請サービスセンターホームページに招聘状の内容について記載があります。参考にして作成してください。

参考)中国ビザ申請サービスセンターホームページ
https://bio.visaforchina.org/NGO2_JP/howtogetavisa/stepbystepguidance/281380.shtml

上記の書類を持参し、中国査証サービスセンターでビザ発給申請を行います。


5. 中国入国後に行うビザに関する手続き
Zビザは短期就労ビザなので、入国後にビザの有効期限を延長する必要があります。同様に、S1ビザにも中国居留期間に関して行う必要のある手続きがあります。

本項では入国後に中国で行うべき手続きを解説します。

5-1. 外国人就業証申請
Zビザ取得者は中国入国後2週間以内に、「外国人就業証」を取得する必要があります。外国人工作許可通知を元に勤務先と労働契約を締結し、管轄内の人力資源・社会保障行政部門に外国人就業証の申請を行います。外国人就業証の取得には約2週間かかります。

5-2. 外国人居留許可証申請
外国人就業証の取得後に「外国人居留許可証」の申請を行います。こちらはS1ビザ取得者も必要な手続きです。

外国人居留許可証は中国入国後、30日以内に居住地の公安局に申請を行います。こちらの申請を行わずに中国に30日以上滞在するとオーバーステイとなり、罰金を課されますので注意してください。

新型コロナウイルスによるビザ取得の影響(2020年9月現在の情報)
新型コロナウイルスが全世界に蔓延し始めた2020年3月初めより、ビザ発給に遅れが出始めました。さらに、同年3月末には中国政府が入国に有効なビザ・居留証を持つ外国人の入国を停止しました。

また、大阪の中国ビザ申請サービスセンターでのビザ申請受付が停止となりました。なお、ビザ・居留証を持って滞在している外国人の停留、居留期間は2ヵ月延長との対応がとられました。

4月~6月中旬までの期間、東京・名古屋のビザ申請サービスセンターの業務が停止となりました。業務再開後もビザ発給は客室乗務員、経済と貿易、科学的および技術的活動、人道問題に関わる人物に限定されました。なお、領事認証は受付可能となっていましたので、ビザ申請のための準備は行える状況であったと言えます。

2020年8月1日より、オンラインでのビザ申請が可能となりましたが、取得できるのは客室乗務員、経済と貿易、科学的および技術的活動、人道問題に関わる人物に限られています。そのため、依然として就労によるビザ取得は不可能な状況が続いています。

また、日本に一時帰国した中国就労者の所持する「外国人就業証」についてですが、オンラインで更新可能となっているようです。外国人就業証を日本で更新した後、中国に入国できるようになった際に現地で外国人居留許可証の申請を行う流れとなっています。