「ご冥福をお祈りします」

「ご冥福をお祈りします」という言葉を使用する際に気を付けたいのは、宗派によっては不適切な場合があるということです。厳密に言うと使用してはいけないわけではありませんが、気にされる方もいらっしゃると思います。

以下では、どうして「ご冥福をお祈りします」という言葉が駄目なのかをまとめておりますので、ご参照ください。

浄土真宗の場合
浄土真宗のご葬儀では、「ご冥福をお祈りします」の使用は控えるようにしましょう。浄土真宗では、亡くなられた方は仏様になる「臨終即往生(りんじゅうそくおうじょう)」という教えであり、「ご冥福をお祈りします」は「死後の世界である冥界に迷い込む」という意味に捉えられてしまいます。

そのため、浄土真宗のご葬儀などの際にかける言葉としては、「お悔やみ申し上げます」がよいでしょう。なお、「心より」を頭に付けると深い悲しみを、「謹んで」を頭に付けると敬意を表すことができ、目上の方にも失礼になりません。

神道の場合
神道のご葬儀に参列する際なども他の言い回しを使用することをおすすめします。神道では故人様はご先祖様と共に家の守り神となると考えられているため、死後の世界である冥土という考え方はふさわしくないとされます。

そのため、神道のご葬儀などの際にかける言葉としては、「御霊(みたま)のご平安をお祈りします」であったり、「御安霊(ごあんれい)の安らかならんことをお祈りします」などがよいでしょう。

キリスト教の場合
キリスト教の場合そもそもお悔やみの言葉を使用しません。これはキリスト教における死に対する考え方が他の宗教と違うことが挙げられます。

キリスト教における死は、「地上での罪を許されて天に召される」ことを言います。つまり、天から祝福されるべきものであるという考えから、キリスト教では故人様の死を悲しむお悔やみの言葉を使用しないとされています。

そのため、キリスト教のご葬儀などの際にかける言葉としては、「安らかな眠りにつかれますよう、お祈り致します」がよいでしょう。